出動!災害救助隊・7/北朝鮮包囲網

「艦長? どうしました?」
「おっ、交代の時間か?」
「はい、しかしどうかしましたか?」
「なにがだ?」
「じっと海を見つめてましたので、心配しまして…一応。」
「……、北朝鮮のことを考えていたもんでな。」
「あぁ、…いったいどうなっているのでしょうあの国は?」
「暴走の兆候が見てとれるな。」
「はぁ、核実験にミサイル発射、かなりな脅し方だとは思いますが…。」
「なんだか、第二次世界大戦に向かって突き進んだ、大日本帝国の行動に重なるものがあるような気がしてな。」
「どういうことですか?」
「国家の上層部が、現実の世界情勢について正しい判断をせず、自国の戦力を過大に評価して、軍事力による一等国入りを画策するというシナリオが浮かんだもんでな。」
「まさか! 21世紀の現代にそのような前世紀の遺物のようなやり方をとるとは思えませんが?」
「…、ひと頃、日本はアメリカから10~20年の遅れがあるとか言われたことがあったが、韓国・東南アジア・中国などの国々と日本との今の状況は、同じようなものとも言えると思う。」
「そうだとしても、第二次世界大戦とは隔たりが大きすぎるのでは?」
「真実を伝えられることもなく、上層部の言うままに挙国一致などと、特攻や竹やり防御に協力させられた人々の雑穀で飢えをしのいだ生活と、冷蔵庫に牛肉が入っているような上層部のぜいたくな生活との対比が、今の北朝鮮の報道に重なってしまうのだが。」
「そうかもしれませんが、戦争まで考えるでしょうか?」
「それは、君の希望的観測だな。もちろん私としても戦争など起こってほしくはない。が、可能性は否定できんし、確率も低くはないと思う。」
「危機管理の問題、ですか?」
「それもある。だからこそ我々災害救助隊が、人災への対応として出動しているわけだ。」
「私たちの兵器は、防衛のためのものですので、目的は平和ですし、憲法にのっとった組織ですので、他国の軍隊の派遣とは違うことを世界に示すことができますし。」
「組織名がそれを明確に表している。戦争・被爆の苦しみを味わった国民が選択した、もてる平和憲法にふさわしいものとして、世界で唯一の新しい考えに基づいた組織だ。」
「現状では、自然災害より人的災害が多いので軍隊のようですが、仕方がないというところでしょうか?」
「残念ながらその通りだな。」
「それにしても、つらかったでしょう? 戦争中は?」
「ばかもん! まだ生まれてもないわ、すぐ人を年寄り扱いしよる。」
「あまり詳しいので、てっきり経験者かと?」
「70年前だぞ、北朝鮮を彷徨っている亡霊とは違うわ。」
「失礼しました。」
「ではしばし、休息タイムとするか。」
「時間でも通じますよ。」
「いいから監視を始めろ。では。」


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